上青木・青木・中青木・西青木・並木の石仏

 上青木6丁目地蔵堂墓地 川口市上青木6-12


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大信寺から県道111号線をさらに東に歩くと、上青木交番交差点の先、左手に
墓地がある。墓地の中程の小堂の中にお地蔵様が祀られていた。

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地蔵菩薩立像 万治3(1660)長い錫杖を右手に持ち穏やかな表情で佇んでいる。
光背右脇「奉刻調地蔵尊像為二世安全」左脇 乃至法界平等利益と刻む。

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墓地の東側の塀の前にたくさんの石塔が並んでいた。

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左 庚申塔 宝暦12(1762)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。足元の邪鬼は
横向きに寝ていて右耳のあたりを踏まれているようだ。下部には三猿を彫る。

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右側面には年号。左側面 武州足立郡戸田領上青木村 講中拾七人と刻まれていた。

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庚申塔 安永9(1780)日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持六臂。下の台に講中。

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足元には二鶏・邪鬼・三猿が揃う。特に三猿は小さいが動きがあって楽しい。

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塔の右側面「奉造立青面金剛諸願成就」脇に年号が刻まれている。

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左側面には 是れより南 川口道 是れより北 浦和道。その下に武州足立郡
下青木村とあり、願主 個人名と続く。

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その隣 道標 明和5(1768)上部に阿弥陀如来立像と六地蔵菩薩を浮彫りにする。
「為二親菩提也」とあり個人の供養塔ではあるが、その下に左 鳩ヶ谷千住道、
南 川口 江戸道、右 蕨 浦和 大宮と三方向七地名が刻まれていて立派な道標に
なっている。右側面に年号。左側面には足立郡上青木村 願主は個人名だった。

 

専称寺 川口市上青木5-3

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県道111号線の上青木五丁目交差点から南に歩くとやがて右手に専称寺が
見えてくる。境内には池のある美しい庭もあり、落ち着いた雰囲気だ。

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参道の左にある納屋の裏、ちょっと目に付かないような場所に庚申塔があった。
その前には西国坂東秩父百番札所順礼供養塔 大正7(1918)が立っている。

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庚申塔 正徳4(1714)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。全体にカビが目立つ。

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光背左脇に年号が刻まれている。その下に願主とあり何人かの名前が見えるが
一部剥落していてはっきりしない。

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光背右脇には「奉供養庚申待講中」と刻まれていた。

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青面金剛の足元、邪鬼が不気味な顔で前を見据える。その両脇に二鶏を線刻。
その下に三猿を彫り、三猿の下に20名ほどの名前が刻まれていた。


旧長堤寺墓地 川口市青木1-13

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末広交差点から西に向かい青木橋交差点を左に入ると右手、住宅の中に
こじんまりとした墓地があった。入口近くに庚申塔 文政12(1829)が立つ。
正面に「庚申塔」脇に日月清明 天下泰平と彫られていた。塔の右側面は
隣のお墓の壁のために上部しか見えない。年号の下に北 前だけ確認した。

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塔の左側面 南 川口 西 わらび 道とある。とすると右側面は 北 前川道か?
下部には足立郡戸田領下青木村、続いて7名の名前が刻まれていた。

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墓地の中央あたり、小さな石仏の中に庚申塔 寛文5(1665)地蔵菩薩立像。

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光背右「奉待庚申三ヶ年因是□□施造石佛地蔵像」その下に年号を刻む。
光背左「願以□功徳□及□一切我等与□生皆共成佛道」あてずっぽうだが。


龍泉寺 川口市青木5-5

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川口オートレース場の西200mほど、龍泉寺の本堂から左に進むとその先に墓地が
広がっている。突き当たりのブロック塀の前にお地蔵様と庚申塔が並んでいる。
丸彫のお地蔵様は個人の供養塔だった。

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庚申塔 文政6(1823)日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂。彫りは細かく
技巧的で美しい。頭の上にはドクロが見え、その体には蛇がまとわりついている。
顔の中央が破損しているのは惜しい。

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邪鬼は仰向けで青面金剛に顔と腹部を踏みつけられもがく。左手は青面金剛の
右手の剣をつかみ、右手は踏まれた足を防ごうと必死。なかなかの迫力だ。

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邪鬼の下は洞穴のようになっていて、その中に猿が隠れている。これだけの
凝った仕事。塔の側面には飛鳥山下 石工 二名の名前が刻まれていた。

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墓地の一番奥のブロック塀の前に5基の石塔が並んでいる。4基が庚申塔だった。

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左から 庚申塔 天明2(1782)日月雲 青面金剛立像 鈴・ショケラ持ち六臂。
蛇冠の青面金剛はここでも鈴を持っている。足元に邪鬼。下の台の正面に
三猿が彫られていた。二鶏は見当たらない。

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足元の邪鬼は個性的だ。その悪人づらは鬼というよりも人間臭く感じられる。

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塔の右側面「奉建立大願成就為二世安樂也」左側面は狭くて読みにくいが
下青木村 庚申待講中とある。

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隣 庚申塔 正徳3(1713)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。

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足元に二鶏を線刻。その下にヌーとした邪鬼と三猿を彫る。三猿の下、下青木村
曽根 高畑 北屋 橋戸 講中三十七人 寄進衆中諸願成就攸と刻まれていた。

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続いて庚申塔 正徳3(1713)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。

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足元にやはりユニークな邪鬼。その下に三猿を彫る。ここにも二鶏は見えない。

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塔の左側面に年号。右側面 武州足立郡戸田領下青木村新田と彫られていた。

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一番奥 庚申塔 日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持?六臂。腹部から下が
すっかり溶けてしまっている。上半分だけ見ても結構魅力的だが・・・
造立年その他、詳細は不明。

西方寺 川口市青木4-19

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川口オートレース場のすぐ南、西方寺の本堂の左に三基の石塔が並ぶ。

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左 徳本上人六字名号塔 文政7(1824)下の台の正面に當村中と彫られている。
側面はカビが多く、文字はあるのだがうまく読めなかった。

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中 庚申塔 元禄12(1699)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。光背左に年号。
光背右「奉供養庚申待成就現當二世安樂祈處」と刻まれていた。

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足下に二鶏と邪鬼。下部に三猿。その下には十数名の名前が刻まれている。

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右 馬頭観音立像 合掌型慈悲相 三面六臂。優しい表情が印象的だ。
残念ながら銘は確認できなかった。

 

光明院 川口市中青木1-9

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川口市役所のすぐ西にある光明院。門を入ると左手に石塔が並んでいた。

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左端 地蔵菩薩坐像 宝暦4(1754)大きな笠をかぶっている。下の塔の正面
梵字「カ」の下に「奉造立地蔵尊光明真言百万遍成就攸」と彫る。

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塔の右側面には願文27文字。左側面 戸田領下青木邑遍照山光明院とあり
中央に 講中當嶋善男女等と続く。

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奥の方 小型の宝筐印塔の近くに庚申塔 享保6(1721)日月雲 青面金剛立像
合掌型六臂。頭の上で蛇がとぐろを巻いている。線香立てで猿が見えない。

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ふてくされた邪鬼の下、三猿はかくれんぼをしているみたいだった。

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塔の左側面には年号。右側面「奉供養青面金剛二世安樂所」続いて
庚申待講中 下青木村と刻まれていた。


良光院 川口市中青木4-15

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県道332号線青木公民館交差点の北100mほど、路地の中に良光院がある。墓地の
真ん中あたりに庚申塔 元文5(1740)日月雲 青面金剛立像 鈴・ショケラ持ち六臂。
この地域では鈴持ちタイプが結構ありそうだ。邪鬼が猫のように丸くうずくまり
その下の台の正面に二鶏、三猿が彫られている。
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塔の左側面には年号。さらに下青木村とあり、下部に7名の名前が刻まれている。

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右側面「奉造立庚申講中為二世安樂」とあり、やはり7名の名前を刻む。


西青木端戸町会会館 川口市西青木1-17

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観音堂の前の道を東に進むと産業道路に出る。その少し前の三差路付近左手
西青木端戸町会会館があり、左手に石塔が並んでいる。

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庚申塔 日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。正面全面にカビがひどく、文字を
読み取ることはできない。下部に邪鬼と三猿。その下の部分に何名かの名前が
刻まれている。塔の両側面にも文字があるようだが判読できなかった。

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奥に地蔵菩薩立像 正徳4(1714)頭部に補修跡がある。下の台に年号とともに
武州下青木村施主と刻まれていた。


並木観音堂 川口市並木2-37

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西川口駅の東口から線路沿いの道を南に歩き、西川口陸橋の下をくぐってから
左に折れまたすぐ右折する。並木2丁目交差点の先、右手に並木観音堂がある。

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左側の墓地の前の小堂の中にお地蔵様と庚申塔が並んでいた。

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庚申塔 寛政12(1800)日月雲 大きく「庚申塔」下部に三猿を彫り、台の正面には
二十数名の名前が刻まれている。

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塔の右側面には年号。一部剥落が見られ、年号部分もいずれなくなりそうだ。

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左 地蔵菩薩立像 享保元年(1716)古い割には状態はいい。

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下の台の正面 念佛講中とあり、十数名の名前が刻まれていた。