板橋区仲町

板橋区役所仲町区民事務所向かい路傍 板橋区仲町21

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川越街道の日大病院入口交差点から北へ向かい、少し歩くと右手に板橋区役所の仲町区民事務所がある。道路をはさんだ向かいの角に小堂が立っていた。

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庚申塔 宝暦6(1756)日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂。風化のために表面が丸くなっていて、ただれたような青面金剛の顔は凄みを増している。塔の両側面ともに隙間に余裕がなく写真は撮れなかったが、左側面に造立年月日、右側面には「奉造立庚申供養塔敬紀」両側面とも下のほうに数人の名前が刻まれていた。

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足の両脇に二鶏。足下に右半身の邪鬼。三猿は左右が内を向く対称形である。

仲町東 東上線線路脇路傍 板橋区仲町8

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仲町交差点から東に歩き、東上線にぶつかるすぐ手前左の路傍に小堂が立ち、庚申塔が祀られていた。この先東上線を越えると右手に豊島病院、さらに進むと氷川町に入る。

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庚申塔 日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。光背上部を欠く。光背左脇に造立年月日が刻まれているようだが、上部欠損のため読めるのは庚寅年十一月十四日だけで、造立年は確定できない。光背右「□立供養庚申像敬紀」

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足の両脇に二鶏。足下に漠然とした邪鬼。三猿はそろって正面向き。三猿の下に何人かの名前が刻まれているようだが一部しか読めなかった。

 

専称院 板橋区仲町44

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東武東上線中板橋駅の南東にある仲町交差点のすぐ南、駅のほうから歩くと道路の右手に専称院の入口がある。その左端に小堂があり、中には丸彫りの地蔵菩薩像が祀られていた。

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地蔵菩薩立像 安永8(1779)赤い前掛けで隠れているが延命寺像型と思われる。

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台の正面に「為法界施入三界萬霊」両脇に造立年月日。台の左側面に武州豊嶋郡山中村 念佛子供中。子供中というのは初めて見た。右側面には庚申講中廿五人と刻まれている。

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小堂の前に六字名号塔 寛政9(1797)正面に「南無阿弥陀佛」左側面に造立年月日。

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この石塔の右側面の銘文も珍しい。南閻浮提大日本國奥羽飢饉没間焼失、関東溺死京□焼亡順逆怨親法界利益。ざっとこんな感じに読めるのだが、いろいろな災害の犠牲者を供養したものだろう。奥羽飢饉は年代から考えて天明の大飢饉か。

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入口から入って正面の本堂に向かう参道の右側にいくつか石仏が並んでいるのだが、その前にたまたま工事が予定されているのだろうか、赤い鉄骨が積まれていた。

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手前から地蔵菩薩坐像 寛政12(1800)左手につぼみの蓮華を持ち右手は施無畏印。観音様のような印相である。塔の正面中央に「溺水亡霊解脱塔」両脇に堅通三界、横活九居と刻まれている。

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右側面に「南無阿弥陀佛」入り口にあった六字名号塔と造立年も近く、同じような意味合いの造塔だろう。左側面には28文字の願文。裏面に長い銘文が刻まれ、最後に造立年月日が刻まれていた。

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隣 地蔵菩薩坐像。こちらは紀年銘が見当たらない。塔の正面「救世除水難寶塔」両脇に慈眼視衆生 福聚海無量。これも水難除けのための造塔であり、その規模などもよく似ていることから考えて隣の石塔とほぼ同じような時期のものではないだろうか。

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塔の右側面 或漂流巨海で始まる二十文字の銘文、裏面には 天下和順 日月晴明で始まる三十二文字の銘文が刻まれている。

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さらに宝篋印塔などが並び、その奥の木の陰に隠れるように庚申塔が立っていた。写真で見るとおり白カビに覆われている。足元には邪鬼、その下には三猿を彫る。三猿の下に刻まれた文字も読み取ることは難しい。

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庚申塔 享保5(1720)日月雲 青面金剛立像 剣・ショケラ持ち六臂。近寄ってやっとなんとか文字が読めた。右脇「奉造立庚申供養二世安樂」左脇に造立年月日。塔の右側面は立木が迫り覗くこともできず、左側面は白カビがひどく文字はあるがこちらもはっきりしない。平成七年発行の資料「庚申塔」によると、右側面に 右ハ小石川おふ内道、左側面には 左ハ中仙道しむら道と刻まれているという。資料の写真は現在と比べるとだいぶきれいに写っている。

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その奥に如意輪観音や地蔵菩薩像などが集められていた。四面にぐるりと像塔が並んでいる。

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裏にひっそりと阿弥陀如来坐像 宝永4(1707)薄暗くしかも逆光のためきれいな写真は撮れなかった。光背右に本地阿弥陀如来 施主等の文字が見える。光背左には造立年月日が刻まれていた。

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本堂に近く、地蔵菩薩坐像 昭和28(1953)正面に子育て地蔵尊。施主は個人二名の名前が刻まれている。